焼成ペースト⽤アクリル樹脂
製品概要
各種ペースト用途に用いられるアクリル樹脂です。焼成工程が必要とされるMLCCの電極ペーストなどに使用されています。
当社の独自技術によって従来のアクリルの糸引きを改善し、優れた印刷適性を発現しています。
焼成性はもとより糸引きが少ないディップコートやチクソ性を必要とするスクリーン印刷にも適用可能であり、焼成性・印刷性を両立した製品と、焼成性に特化した製品をご用意しています。
付与できる機能
- 焼成性
- 印刷適性
- 曳糸性
- チクソ性(チキソ性)
- 膜密度
- 基材密着性
特長
SPB-80
- 従来のアクリル樹脂にはない粘弾特性
- 金属フィラーとの分散安定性
- エチルセルロース並みの印刷適正
M-4000系
- 焼成性に特化
- 焼成時の残炭が特に少ない
- 粒子での販売も可能
用途
- 積層セラミックコンデンサ(MLCC)外部電極・内部電極
- 各種ペースト用樹脂
用途例
コンデンサ焼成プロセス
グレード(品番)
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製品名 | 溶剤種 ※1 | 粘度 (ηPa・s/25°C) |
加熱残分※2 (%) |
外観 ※3 | 特長 |
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SPB-80 | DHT | 約45 | 約30 | 無色〜 淡褐色透明液体 |
EC同等の糸切れ性 |
M-4100 | ターピネオール | 約218 | 約27 | 淡黄色微濁液 | 低残存炭素量 |
M-4200 | ターピネオール | 約125 | 約35 | 淡黄色微濁液 | 低残存炭素量 |
M-4210 | DHT | 約58 | 約30 | 淡黄色微濁液 | 低残存炭素量 |
- ※1 DHT:ジヒドロターピネオール
- ※2 150°Cで3hr加熱後に残存した重量比。
- ※3 目視での評価。
熱物性
窒素雰囲気下においても、焼成性が良く、加熱後の残存炭素量が少ない。
空気下
窒素雰囲気下
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熱分解(空気下)※1 | 熱分解(窒素雰囲気下)※2 | |||||
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開始温度 | 終了温度 | 残存炭素量 | 開始温度 | 終了温度 | 残存炭素量 | |
EC (ref) | 315℃ | 465℃ | 1%未満 | 327℃ | 516℃ | 7.2% |
SPB-80 | 262℃ | 301℃ | 1%未満 | 301℃ | 457℃ | 1%未満 |
M-4100 | 約220℃ | 約290℃ | 1%未満 | 約180℃ | 約340℃ | 1%未満 |
M-4200 | 約250℃ | 約290℃ | 1%未満 | 約260℃ | 約390℃ | 1%未満 |
M-4210 | 約250℃ | 約290℃ | 1%未満 | 約260℃ | 約390℃ | 1%未満 |
- ※1空気下において0°C min-1で700°Cまで昇温。
- ※2 窒素雰囲気下において10°C min-1で700°Cまで昇温。
粘弾性
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エチルセルロース (ref) | SPB-80 | M-4210 | |
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擬塑性 ※1 | 150 | 50 | 16 |
チクソ性 ※2 | 3〜4 | 3.3 | 1.6 |
曳糸性 ※3 | 3 sec | 4 sec | 9 sec |
- ※1 せん断速度1 sec-1と3,000 sec-1における粘度比(値が大きいほど応力による粘度変化が大きい)。
- ※2 せん断速度1,000 sec-1における速度上昇と下降時の粘度比(値が小さいほど、下降時の粘度上昇(回復)が早い)。
- ※3 5 Pa・sジヒドロターピネオール溶液での糸曳きが切れるまでの時間(時間が短いほど糸曳きが少ない)。
ディップコート
ミクロ残炭量
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sample | EC | PVB | PMMA | M-4200 |
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ミクロ残炭量(%) | 9.8 | 2.5 | 0.2 | 0.02 |
ミクロ残炭測定後の写真(温度500℃、窒素雰囲気下)
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