モノとモノがくっつく仕組み
~接着と粘着の違いは?~
接着剤や粘着剤は、私たちの日常生活に欠かせないものですが、それぞれ使い方には違いがあります。この記事では、物と物がくっつく仕組みや、接着と粘着の違いについて、解説していきます。
物と物がくっつく仕組み
物同士がくっつくとき、表面では3つのことが起きていると考えられています。
投錨効果(アンカー効果)
物質の表面には目に見えないほどの凹凸があります。この小さな凹凸の間に接着剤が入り込み、そこで固化し、凹凸を埋めることで、船の錨(アンカー)が海底に食い込むような効果が発生し、物と物がくっつくことができます。凹凸になじむことを「濡れる」と言い、被着体に良くなじむほど、濡れ性が高いと言えます。
分子間力(ファンデルワールス力)
接着剤と被着体が非常に近づいた時に、それぞれの分子同士が引かれ合うことによってくっつくことができます。分子が引かれ合う力(分子間力)はかなり弱いため、物と物が非常に近い距離にないと力が働きません。接着剤は凹凸になじみやすく、被着体との接点が多いため、分子間力が働きます。
化学反応
接着剤と被着体の表面では、化学反応が起こる場合があります。この反応によって分子同士がつながることで、物と物がくっつくことができます。化学反応は、接着の仕組みの中でも強いものであると言われています。
接着と粘着の違いは?
接着と粘着は、両方とも物と物とをくっつけるための方法ですが、それぞれ違いがあります。
接着とは
ボンドや瞬間接着剤を使う場面を想像してください。最初は液体状で、くっつけたい物に塗り、物と物を貼り合わせます。くっついた後のボンドや瞬間接着剤は固体に変化しています。このように、液体から固体に状態変化するものが接着です。接着は剥がれてはいけないことが求められる用途に適しています。
粘着とは
セロハンテープや包装用テープのベタベタ部分を想像してください。テープを貼りつける前も後も柔らかい餅のような状態を保っています。このように液体と固体の両方の性質を持ち、状態が変化しないものが粘着です。接着との大きな違いは、剥がすことができ、再び貼り直すことができる点です。
接着と粘着にはそれぞれ違いがあり、それぞれの特長を活かした使い分けがされています。
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