トップメッセージ

代表取締役社長 冨田 幸二

未来の変化に進化で応え、
新たな成長軌道を築きます

代表取締役社長冨田 幸二

株主・投資家の皆さまへ
平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

2024年3月期の経済情勢は、コロナ禍での行動規制の緩和に伴う経済活動の正常化が進み、景気は緩やかな回復基調が続きましたが、ウクライナ情勢の長期化や中東情勢の悪化、資源・エネルギー価格高騰による物価上昇、主要国での金融引き締めの長期化に伴う景気減速が懸念されるなど、先行き不透明な状況が続きました。
このような状況のもと、当社グループは、中国シフトが進む液晶ディスプレイ関連の需要拡大に応じた生産・供給体制の強化・合理化を推進するとともに、自動車や情報・電子デバイスなど成長分野での新たなニーズ獲得に注力し、安定収益基盤の拡大と収益性の向上を図ってまいりました。また、環境変化に強い事業構造への転換に向けて、バイオマス材料・製品や革新的生産プロセスの開発、新規事業開発・推進体制の強化などに取り組んでまいりました。
業績につきましては、スマートフォンなど情報・電子分野の需要低迷が続きましたが、液晶ディスプレイ関連分野の需要回復が進むなかで粘着剤の販売が伸長し、売上高は前期を上回り、粘着剤の増産効果やコスト削減、採算是正の効果などによる収益改善が進み、各利益とも前期を大幅に上回る結果となりました。

2025年3月期の事業環境につきましては、景気の緩やかな回復基調が続くことが期待されるものの、世界的な物価上昇や金融引き締めに伴う影響、ウクライナ・中東情勢の緊迫化・長期化に伴う地政学リスクの高まりによる影響が懸念されるなど、先行き予断を許さない状況が続くとみております。
当社グループは、中国に生産集約化が進む液晶ディスプレイ関連の需要を取り込み、シェア拡大を図るとともに、自動車や情報電子など成長期待分野での新規用途・顧客開拓に注力し、収益力の強化を図ってまいります。また、非アクリル製品やバイオマス材料・製品、高機能フィルムなど次世代製品開発の技術基盤構築や新たな海外事業地域の探索、新規事業の創出などにより事業構造改革を進めてまいります。
業績につきましては、原材料・物流費・人件費等の上昇、研究・技術開発や新規事業等での経費増を見込んでおりますが、粘着剤をはじめとするケミカルズの販売拡大や収益改善に取り組み、増収増益を目指してまいります。

株主・投資家の皆さまには、今後ともより一層のご理解とご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。